2026年9月26日土曜日

メンバー紹介 すその編

 



Q1、自己紹介をお願いします。
「高ければ高いほど! すそのだよ!」

Q2、チャームポイントは?
「若さ」

Q3、特技は?
「クレヨンしんちゃんのモノマネ」

Q4、好きなものは?
「味しらべ(おせんべい)」

Q5、最近ハマっていることは?
「メイク」

Q6、自分だけのこだわりは?
「「ふもと」って言うとき、絶対に「Hu」じゃなくて「Fu」で発音する」

Q7、座右の銘は?
「先勝ちは糞勝ち」

Q8、 セイントパリンドロームで好きなところは?
「他のアイドルグループと本当に絡まないところ」



大叔父


たとえばアイロン台のカバーが

焦げて取り替えなくちゃならなくなって

家にある布から一枚選んで

新しいアイロンカバーにしようとしたとき

その布の皺を伸ばすためにアイロンをかけるだろ

つまり古いアイロン台のカバーの

最後の仕事はいつだって

新しいアイロン台のカバーの

皺を伸ばすことなんだ

ね

この話から君が

なにを感じるか

僕は知らない

僕自身 特になにかを感じるわけでもない

でもなんとなくエモいような気がして

だからもしかしたら

君の心には響いたりするんじゃないか

そうだったら儲けもんだな

そう思って話したんだ


よく「この仕事は体が資本」などと

言う人がいるけれど

どんなに考えても

体が資本じゃない仕事というものが

一個も思い浮かばないんだ


段ボールの主な原材料はなにか

知っているかい

それは段ボールなんだ

新しい段ボールのほとんどの部分は

古くなった段ボールをリサイクルしたもので

できあがっているんだ

じゃあ古い段ボールというものがこの世にまだない

世界初の段ボールはなにでできていたのか

それはきっとなんかしらの

厚紙とかだったんだ

な

この話から君が

なにを感じるのか

僕は知らない

僕自身 特になにかを感じるわけでもない

でもなんとなくエモいような気がして

だからワンチャン

君の心には刺さったりするんじゃないか

ひょっとしたらひょっとするんじゃないか

そう思って話したんだ


このエモさに共鳴する人たちだけで

作った国に僕は住みたい

そしてがさつな人たちには

決してビザを発給しないんだ


2026年9月23日水曜日

ひたすらパピロウの誕生日を祝った5連休

 パピロウの生誕43周年をお祝いするための5日間が終わろうとしている。
 誕生日の20日は、夕方になってサイゼリヤに行った。サイゼリヤで肉を食べてワインを飲んで最後にケーキ代わりのデザートを食べれば誕生日のお祝いディナーそれでいいやのやつ。今回も裏切られることなく、とてもよかった。
 今年もポスターを家族が描いてくれる。こちらである。


 中央のメッセージと娘たちの絵はファルマンが、左のげっPOはピイガが、右のセイントパリンドロームはポルガが、という合作である。混沌である。この瞬間のわが家の切り抜きとして、のちに振り返ったときなかなか感慨深くなりそうな予感がする。
 ちなみに誕生日プレゼントは靴にした。これまで2年間くらいに渡り、色違いで3足買って、左右の色の組み合わせをずらして履くということをしてきた靴が、さすがに劣化してきたので、刷新することにしたのだった。それでネットで探していたところ、こちらのニーズにピタリと合致する、それぞれの色で一足としてもちろん販売しているが、左右片方ずつの組み合わせでも注文可能の靴というものを発見し、それにした。左右で違う色の靴という禁断の果実は、いちど手を出してしまうと、なかなか抜け出せないのだった。
 それと、島民の設定した誕生日にプレイをすると、開始冒頭でその島民の誕生日パーティーの様子が伝えられる「トモコレ」において、じゃあ島民全員が9月20日生まれの僕の場合どうなるのか、20歳から41歳まで22回連続でそのさまを眺めることになるのか、という話の結果について報告する。22回連続は、しなかった。たぶん5回だったと思う。1日の誕生日祝いの枠が5人までなのか、あるいはニュース速報の枠が5つまでなのかはよく分からない。5回、ランダムで選ばれたらしき年齢のパピローが、それぞれの、本人たちも誕生日であるはずの友達のパピローたちに囲まれて誕生日を祝われるさまを眺めたあと、最後に、プレイヤーとしての現在のパピローとしての僕自身が、ゲーム内の、ランダムで選ばれた10人くらいのパピローに囲まれて、そこでも誕生日を祝われた。とにかく島民のなにもかもすべてが誕生日なのだった。そしてそれが済んだあと、島には「パピロー(42)」が舞い降りた。42歳のパピローは現実世界からは消え去り、ゲームの中で永遠の命を得たのだった。ちなみに、ゲームをプレイしたのはこれが60日ぶりくらいだった。
 翌日21日は、午後にフォレストアドベンチャーへと繰り出す。3年前のGWにも行った、森に作られたアスレチックである。前回は子ども向けのコースだったのだが、ピイガが中学生になったことで一般のコースも可能となり、前々からちょいちょいせがまれていたので、この機に行くことにしたのだった。それで半月ほど前、予約を入れようとしたのだが、サイトの説明文の感じだと、中学生以上は大人による地上からの見守りがあればいいような書きぶりなのに、いざ申し込もうとすると確定ボタンが有効にならず、電話で問い合わせたところ、大人も一緒に参加しなければならないとのことで、それじゃあダメだ、お前らの両親は、父は極度の高所恐怖症により、母は体力&精神ののっぴきならない事情により、この手のものは絶対に無理なので、残念だけどあきらめるんだな、といちどは思ったのだけど、しかしあまりにも不憫な気もして、ファルマンの下の妹に、「どうか代わりに参加してくれまいか、もちろん料金はこちらで払うから」と頼んだところ、「私も高い所は得意じゃないんだけど」と言いながらも応じてくれたので、めでたく決行の運びとなった。そして三女が参加することにより、雲南の奥のほうという、シルバーウィークのちょっとしたお出掛けにもってこいな距離感もあって、両親および帰省してきている次女一家も含め、全員でのお出掛けとなった。関東には、夏に続いてまたこのタイミングで台風がやってきていて、山陰にもなんとなくそれの影響はあるような感じで雲が多く、現地に着く直前に、霧雨のワンレベル上くらいの雨が降りはじめたので、これはまずいか? と危ぶんだが、結果的に雨はそのときだけで、森自体はここ最近のぐずつきによりだいぶ湿っている感じはあったが、無事に行なうことができた。


 一般コースなので子どもコースより位置が高いし、アスレチックも過酷である。うちの子どもたちが、お前ら本当に愉しんでるのか、というくらい無言でひょいひょいやるのに対し、三女は「うひゃー」「ひいい」と叫びながら進むので、そういうことだよ、と思った。ここに子どもを連れてきた親が求めているのは、その感じなんだよ。なんなんだよ、うちの子、と今回のことで改めて思った。一般コースのクライマックスは、駐車場に停めたとき、森の外からも見える、森の端から端まで、中空としか言いようのない所を猛スピードで滑るジップラインで、あれさえなければ僕もできないこともない気がするのだが、あれがあるばっかりにどうしたって無理なのだった。子どもたちは笑顔で、手なんか放したまま滑るものだから、生きものとしての危機感とかの機能に問題はないのかと心配になった。まあともかく無事にやらせることができてよかった。ちなみにだが、21日の午後1時ごろ、この施設のほど近くの、雲南市掛合町でクマの目撃情報があったそうである。翌日にニュースでそれを見て、そう言えば森の中を歩いていたとき、クマのことをぜんぜん考えなかったな、と思った。思えば夏のよみうりランドのときも、ちょうどその日、川崎市多摩区で2メートルのニシキヘビが逃げたというニュースがあった。なんかニアミスするものだな。
 この日の晩ごはんは、一族(11人)揃っての外食。初めて行った焼き鳥屋。個室だったのでなかなか快適だった。次女の夫とは、詰まりも開きもしない、相変わらずの距離感。
 翌日22日は、なんの予定もない。子どもたちは実家に行っていとこたちと遊び、僕は午後にプールに行った。2時ごろに行ったら満車で入れず、5時前に出直してやっと停めることができた。中は、夕方でもまだ賑わっていた。分かるよ。真夏よりもむしろ、いまのほうがちょうど泳ぎたいよね。800mほど泳ぐ。気持ちよかった。
 そして最終日の今日は、昼前に出発するという次女一家を見送るため、タイミングを合わせて実家に顔を出した。次に会うのは年末なので3ヶ月後になるか。三女は、昨日は筋肉痛がひどかったが今日はだいぶ楽になったと言っていた。苦労をかけたな。
 かくして5連休は終わる。この5連休は、なんと言ってもセイントパリンドロームのことにかまけていた。なんと毎日YouTubeに曲を投稿したのだった。とても愉しかった。これからは、さすがにこんなペースでは投稿できない。1週間に1曲できたらいいかな、と思っている。セパドロの活動については、また記事を改めて書くので、ここではセイントパリンドロームのチャンネルのリンクを貼るだけにする。


 全部いい歌。これのおかげで、充実した5連休だった。

2026年9月19日土曜日

メンバー紹介 のどね編

 



Q1、自己紹介をお願いします。
「終わることのないノーダン、のどねです」

Q2、チャームポイントは?
「持ち前のプライド!」

Q3、特技は?
「架空の絶滅動物の絶滅した理由の解説」

Q4、好きなものは?
「タピオカミルクティー」

Q5、最近ハマっていることは?
「無頼派の小説」

Q6、自分だけのこだわりは?
「ベジファースト」

Q7、座右の銘は?
「遠きは花の香、近きは糞の香」

Q8、 セイントパリンドロームで好きなところは?
「LINEで誰もスタンプを使わないところ」



祝福 ~親友の誕生日~


夏の暑さが和らいで

虫が増える時期

明日はゆっこの誕生日だから

放課後ロフトに行くつもり

山を切り拓いて建てられた商業ビルの

五階と六階がロフト

ゆっこの好きなハンギョドンの

なんかちょうどいいのが あったらいいけど

山の生態系も気に掛かる

なにに重きを置いて 生きていこうかな

誕生日おめでとう


玉子の黄身を月に見立てて

月見商戦 多士済々

明日はゆっこの誕生日だから

放課後マックに行くつもり

老夫婦が営んでいた菓子屋の跡地に

去年の春に作られたマック

ゆっこの好きな月見バーガー

夕飯前だから 半月ずつで食べたいけど

あの老夫婦はどうなったんだろう

同じ場所に居続けるためには 走り続けなければならない

誕生日おめでとう


先日の大雨の際は

増水していた川のほとり

明日はゆっこの誕生日だから

土手に咲いてる花を摘もう

過去に対する愛しさや 未来に対する希望

ゆっこが別に好きじゃない花も

すべてない交ぜにして 花束にしよう

固有種も特定外来種も区別しない

完成した花束に 屈託というタイトルを付す

誕生日おめでとう


お菓子リュック 愉しみにしててね!


全国民がパピロウの誕生日をお祝いする5日間


 今年は大当たりのシルバーウィークで、なんと5連休である。 初日の今日が前夜祭で、20日に当日を迎え、そのあと3日間に渡り後夜祭で存分に余韻を愉しむという、国民総出で僕の誕生日をお祝いするのにふさわしい暦だと言える。ちょっと大袈裟すぎひん? という思いはさすがに抱きつつも、まあ悪い気はしない。俺の誕生日にかこつけて、自分たちがはしゃぎたいだけちゃうん? という疑念がないこともないけれど、そこは目をつむるのが華だろうとも思う。ちょいちょい、地の言葉が出てしまうねんな。
 5連休、遠出の予定は特にない。遠出は夏にやったからいい。次女一家がまたこっちに来るそうなので、実家の面々と近場で出掛けることはあるかもしれない。
 あとせっかく誕生日を迎える5連休なのだからということで、髪をこれまでやったことのない色に染めようという気持ちがあり、実は1週間前に改めてブリーチをし、下地は作ってあるのだけど、先ほどお店でカラー剤の棚を吟味したところ、どの色もピンと来なかった。オレンジ色はただの茶髪みたいになりそうだし、青系は黒髪に近すぎる。赤髪はさすがにやりすぎな気もするし、ピンクはデッカチャンを思い出してしまう。緑もあったけどあまり品のいい感じにならなそうだったし、紫系は白髪染めの貴婦人のイメージだ。それで結局、これこそ単なる半端な白髪染めをした感じの人みたいになりそうな気配も感じつつ、グレーアッシュみたいな色を選択したのだけど、実際にやるかどうかはいまだ悩んでいる。結局はド金髪がいちばんいいのかもなー、多分そうなんだろうなー、という予感がビンビンしている。
 水着作りは、やらないこともないだろうけれど、そこまで機運は高くない。それよりも先日から始めたセイントパリンドローム関連のことに時間を使いそうだ。なんとここへ来て、YouTubeに動画をアップするということをしてしまった。


 なかなか愉しい。43の手習いで、ずいぶんとのびのびしたことを始めたな、とわれながら思う。
 チャンネル登録お願いします!
 まさかこのフレーズを自分が言う日が来るとは。

2026年9月18日金曜日

メンバー紹介 おあや編

 


Q1、自己紹介をお願いします。
「パパ、ママ、ごめんなさい。おあやです」

Q2、チャームポイントは?
「妹がふたりいます」

Q3、特技は?
「簿記(2級)」

Q4、好きなものは?
「水」

Q5、最近ハマっていることは?
「慈善事業」

Q6、自分だけのこだわりは?
「あみだくじをするとき、有名なやつとは違う、オリジナルメロディーのあみだくじの歌を唄います」

Q7、座右の銘は?
「糞船にも船頭」

Q8、 セイントパリンドロームで好きなところは?
「全員ボディタッチをしないタイプなところ」



モール


ゆく川の流れは絶えずして しかももとの水にあらず
日曜日の 大型ショッピングモール
夏は終わって でも年の瀬でもなくて
何を飾ったらいいのか分からない イベント広場
近隣の高校のダンス部が来るらしいけど
吹き抜けの上階から眺めるほどのこともなさそう
そもそも地元じゃない
地元じゃない町の大型ショッピングモール
入ってるテナントは見知ってるものばっかりだけど
ぜんぜん地元じゃない
地元じゃない町の大型ショッピングモール
パラレルワールドに来たような気になる

よどみに浮ぶうたかたはかつ消えかつ結びて 久しくとどまりたるためしなし
午後三時の 大型ショッピングモール
駐車場に停まった 何千台もの車
ミニバンの比率が高い 威圧感がある
馴染みのない地名のナンバープレート
郷土を表す図柄もぜんぜんピンと来ない
そもそも地元じゃない
地元じゃない町の大型ショッピングモール
ミニバンから出てくる家族のいかつさったらない
ぜんぜん地元じゃない
地元じゃない町の大型ショッピングモール
この町で暮らしてる人生を想像してみる

世中にある人とすみかと またかくのごとし
西日本の 大型ショッピングモール
はんこ屋の横の フードコート
フードコートがいちばん 民度が出る
フードコートが結局のところ
その町そのものなんだと思う
そもそも地元じゃない
地元じゃない町の大型ショッピングモール
思ったことをすぐ口に出すタイプの人が多い印象
ぜんぜん地元じゃない
地元じゃない町の大型ショッピングモール
全国のそれを巡るのが 趣味

実際の地元の大型ショッピングモールには
極力行かないようにしてる
絶対に同級生と鉢合わせするから

2026年9月17日木曜日

メンバー紹介 ふもと編




Q1、自己紹介をお願いします。
「山より元気! ふもとだよ!」

Q2、チャームポイントは?
「笑ったときのほっぺ。よく『楽しそうだね』って言われます!」

Q3、特技は?
「実家がダチョウ牧場なのでダチョウに乗れます!」

Q4、好きなものは?
「この世!」

Q5、最近ハマっていることは?
「遠回り。知らない道を通ると、なんか一日が得した気分になる!」

Q6、自分だけのこだわりは?
「卵の殻を割るとき、親指を突き刺して、そこから中身を出す! 比重の関係か、黄身が最初にぬめん、と出てきて、そのあと白身がぬにゅーん、と出てくるのがかわいい!」

Q7、座右の銘は?
「貧乏人の味噌は糞になる、金持ちの糞は味噌になる」

Q8、 セイントパリンドロームで好きなところは?
「4人のうち、だいたいいっつもひとりはしゃっくりしてるところ!」




アーリーサマーパーティー
 

気が早すぎる夏のパーティー まだ日焼けもしていない
みんな恋路を急ぎすぎ 目的地の決まってない高速バスみたい
アイツへのじれったい気持ちがチケットだね 恋は自由席
父親が大手企業の役員をやってる 吉原先輩の家
高層マンションの最上階 ちょっとした公園みたいな広いテラス
今日は両親いないんだ 歌舞伎を観にいってるから
五月らしからぬ強い陽射し 太陽が近い タイルがベージュで照り返しがすごい
こんなんじゃ 着てらんない 小花柄ワンピ 着てらんない
アーリーサマーパーティー ドレスコードはカップ付きキャミ
こんなんじゃ 着てらんない 小花柄ワンピ 着てらんない
アーリーサマーパーティー ドレスコードはカップ付きキャミ

気がつけばテラスの隅っこ 誰かが持ってきたラジカセ
選曲が古すぎるよ これじゃ恋のテンポについていけない
アイツが笑うたび 胸の奥でスピーカーが鳴ってる ウーファーがすごい
これじゃあまるでビクターの犬みたい 亡き飼い主の声が切ない
炭酸水に好きなフルーツめいっぱい入れて ガムシロもたっぷり
吉原先輩が乾杯の音頭をとる 人生に大事な三つの袋の話
給料袋 堪忍袋 おふくろ みんな感動して目頭を熱くする
こんなんじゃ着てらんない カップ付きキャミ着てらんない
アーリーサマーパーティー ドレスコードはヒップハンガーショーツ
こんなんじゃ着てらんない カップ付きキャミ着てらんない
アーリーサマーパーティー ドレスコードはヒップハンガーショーツ

だんだん影が長くなってきても まだ誰も帰ろうとしない
誰が誰を狙ってるの 答えのないクイズ大会みたい
問題文を言い終わらないうちに 早押しボタンを押してばかり
あてずっぽうで回答しても 顔に墨が塗られるだけ
ピザはすっかり冷めて チーズも固まっちゃってる 食べたら胃もたれしそう
遠くのビルの窓に ひとつずつ明かりが灯っていく
夏にはまだ早すぎる だけど恋にはちょうどいい
焼けてない肩を並べて 私たちは季節を追い越していく
こんなんじゃ着てらんない ヒップハンガーショーツ着てらんない
アーリーサマーパーティー ドレスコードなんか蹴っ飛ばしちゃえ
こんなんじゃ着てらんない ヒップハンガーショーツ着てらんない
アーリーサマーパーティー 下がってくれない夜のとばり


2026年9月13日日曜日

お披露目


 娘の「げっPO」に対抗して、父である僕もアイドルグループをプロデュース(創造)することにしたのだった。もっとも「することにした」などとわざととぼけたことを言いながら、さすがは人生経験豊富な親である。
 既にやっていたのだ。
 プロペ★パピロウのガチ勢ならばすぐにピンと来るだろう。そうである。今から12年(!)前、阿久悠に傾倒していた僕が、俺も作詞家としての立場からアイドルをプロデュースしたいと考え、彼女たちが唄ったとされる楽曲の詞だけでしか触れ合えない、映像はもちろん声を聴くことさえできない偶像崇拝禁止アイドルとして爆誕させた伝説のグループ、その名も。
 セイントパリンドロームである。
 時代が移り変わり、対話型生成AIと音楽作成AIが発達した今、詞だけでしか触れ合えないという枷はなくなり(いま思えば平安時代の話のようではないか)、このたび開幕したセイントパリンドロームの第2章は、ビジュアルもあれば楽曲もある。なので、もはやこれは他のそれらとなんの分け隔てもない、純粋なアイドルである。いよいよだ。いよいよパピロウが本腰を入れてアイドルプロデュース業を開始したのだ。
 というわけで、こちらである。


 12年前は3人組だったが、新章ということで、このたびひとり追加して4人組とした。
 それぞれ12時の子から時計回りに、おあや、すその、のどね、ふもと、である。それぞれのプロフィールに関しては、今後ちょっとずつ小出しにしていこうと思う。
 セイントパリンドローム、少し名前が長いので、略称で呼んでもらっても構わない。略称はセパドロでお願いしたい。そんなセパドロのデビューアルバムから、今日はこちらをお届け。


 ホットパンツ


 中三の三学期 もう受験のこととか終わって退屈な時期
 公民館でひたすら卓球してた
 水泳部 吹奏楽部 生徒会 陸部
 最初はぜんぜん続かなかったラリー
 いつの間にか できるようになってた
 ホットパンツで WowWowWow……
 ホットパンツが WowWowWow……

 月曜日から金曜日 その放課後に加えてなんと土日まで
 公民館でひたすら卓球してた
 りえぱん まいやーぬ べっしょん おさゆ
 終わったあとはいつだってクレープ
 歩きながら いっしょに食べたね
 ホットパンツで WowWowWow……
 ホットパンツが WowWowWow……

 三月からは開館が 六時半まで延長されたから
 公民館でひたすら卓球してた
 看護師 保育士 教師 デザイナー
 修学旅行で行ったお寺の住職が
 ジャージだったのいまだに笑える
 ホットパンツで WowWowWow……
 ホットパンツが WowWowWow……

 やがて季節は巡り 桜のつぼみが膨らんできても
 公民館でひたすら卓球してた
 星福 松大付属 清本小浜 州田女
 春になったらみんなバラバラの高校
 それでもたまに こうして集まろうよね
 ホットパンツで WowWowWow……
 ホットパンツが WowWowWow……

 ホットパンツは WowWowWow……
 ホットパンツは WowWowWow……


2026年9月12日土曜日

プロP・グルメリポート・りくりゅう


 通勤の車内では最近、ものすごく適当なサウンドを流している。ラジオだったり、音楽だったり、その日の気分で選び、そしてどちらにしろ別にちゃんとは聴いていない。
 そんなもんだ。そしてそれがノンストレスでいいのだ。
 振り返れば7月半ばから8月上旬にかけて、僕はまるで音楽プロデューサーのように、日々さまざまな楽曲を聴きまくっていた。毎晩いろいろなプレイリストをダウンロードしては、翌日の出勤時にそれを再生し、ほとんどの曲は1分も聴かないうちに飛ばす、というようなことを繰り返していた。
 そんな苦行を乗り越えて、帰省の車内音楽の各人100曲というノルマを達成したのである。それだけ苦労をしただけあって、僕が選んだ100曲のラインナップはなかなかよかったと自負している。
 しかしいかんせんストレスだった。僕はもともと、そこまでノーミュージックノーライフの人間ではなく、知らない歌手や新しい曲を追い求めるタイプではないのだ。そんな僕にとって、帰省前のあの作業はだいぶ心の負担だったように思う。
 今はそこから解放されて、すごく楽だ。いろいろな曲を次々に聴かなくていい世界、とても楽。何百万曲ものサブスクに疲弊した人向けに、いっそそういう音楽配信サービスがあればいいと思う。音楽配信サービスというか、それってCDとかのことだと思う。

 部屋で作業をしているときに、スマホで映像を垂れ流したりするのだけど、おもしろいものだとそっちに意識がいってしまって不都合だし、あまりにもつまらないものだとそれはそれで堪えられないしで、なにがちょうどいいのか、しばらく模索していた。
 そして最近たどり着いたのが、外国製作で吹き替えの、ワールドワイドなグルメ探訪番組である。どこぞの国の白人の男性俳優が、あちこちの都市に行って、その土地の伝統的な食べ物や、最先端の料理を、ちょっとしたジョークを交えながらひたすら食べるという内容で、おもしろさとつまらなさが、ちょうど需要に合致している割合で含有している感じで、助かっている。
 しかしそんな番組を、観るともなしに観ているうちに、自分でも意外な野望が湧いてきた。それは、俺もこんなリポートをしてみたい、という思いだ。世界のさまざまな土地で、いろんなものを食べ、現地の人と話をする。それが番組に仕立てられ、そして世界中の人々が眺める。そんなのとても愉しそうじゃないか、と思う。
 リポーターになるには、この番組の彼がそうであるように、別に料理に造詣が深くなくてもいいのだ。ただ、食べ物の好き嫌いがなくて、人見知りせず誰とでも気さくに喋れ、そして飛行機が嫌いでさえなければ、誰でもできると思う。俺もそこさえ克服すれば、なれる目はあると思う。

 もう既に少し古い話題になりつつあるが、りくりゅうが婚約したじゃんね。
 世間はその公表をとてもすんなり受け止め、その反応に対して三浦璃来は「びっくりされないことにびっくりした」みたいな発言をしたのだった。そしてこの一連の発表に対し、世間の一部の人々は、祝福でも静観でもなく、ちょっと反感を覚えた、という報道もあった。
 かくいう僕も、声高に罵るほどではないが、ちょっとイラっとはした。
 今年の2月20日書いた、「夜の3回転トウループ」という記事で、僕はこう書いている。

 フィギュアスケートのペアで、三浦璃来と木原龍一の、通称りくりゅうのふたりが、金メダルを獲ったじゃないか。それは本当にすごい、すばらしいことなのだろうけど、競技後の、ニュース番組などでのインタビューで、ふたりの関係性について、絶対にみんな気になっているはずなのに、決して誰も触れないことに、気持ち悪さも感じている。
 ペア競技、息を合わせるために、ふたりで共同生活を送っているそうだ。一緒に買い物に行き、一緒に料理を食べ、そして一緒に桃鉄をやっているらしい。
 え、付き合ってんの?
 絶対にみんな訊きたいのだ。安住さんだって宮根さんだって訊きたいに決まっている。昔なら訊いていた。関口宏や張本勲なら実際に訊いていただろう。でも令和のメディアはそれを口にできない。口にした瞬間、炎上することは目に見えている。オリンピアンへの敬意、などと言う。なんやねん、オリンピアンへの敬意って。なんでスポーツやってるやつを敬わんとあかんねん。でも世の中はそういうことになっている。だからじっと我慢している。我慢して、演技内容であるとか、今日までの挫折とか苦悩とか、別にどうでもいいことを仕方なく訊いている。そしてこっちが歯を食いしばって、ゲスな質問を堪えているというのに、りくりゅうのふたりはその返事の中で、なぜか見せつけるように仲の良さエピソードを開陳してくる。やけに甘い空気を出してくる。もしかして訊けないのを分かった上で遊んでいるのではないかとさえ思えてくる。我々はりくりゅうのてのひらの上で弄ばれているのではないか。それもまたふたりのプレイの一環なのではないか。
 誰か、誰かひとりでいいのだ。ベッドでも龍一のリフトはすごいんですか? と訊ねてほしい。夜はショートプログラムじゃなくて毎晩フリーなんでしょ? と。たとえどっちかが拒んでも、やっぱり挿入ゆずれないときもあるよね、と。

 このときの、訊ねてはいけない不可侵性、世間によるその同調圧力に屈するほかなかった自分へのふがいなさみたいなものが、今回の怒りに繋がっているのだと思う。さらには、われわれが言いたいことを言えなくてやきもきしているさまが、ふたりの愛の焚き木になっていた部分もあるのではないかという気もし、それもまたこちらの義憤を焚きつけるのだった。じゃあふたりはどの段階で関係を公表すべきだったのか、と問われると、明確な答えは出せないのだけど。なにぶん、交際を明言しているペアを快く応援するかと言えば、しょまりんペアを例に取るまでもなく、そんなことは決してないわけで、世間というのは本当に心が狭いものだな、と思います。俺ではなく、世間というのは。

2026年9月7日月曜日

娘がアイドルに嵌まる


 ピイガが5人組ボーイズアイドルグループに嵌まった。
 グループ名は「げっPO」(げっぽ)。
 そしてこのアイドルグループ、実はピイガのオリジナルだという。
 最初は紙にペンでメンバーの顔などを描いていたのだが、それを元に対話型生成AIにメンバーのビジュアル作成を依頼したところ、げっPOは一気に実在のアイドルとなった。
 対話型生成AIが作成する、とりあえず目鼻立ちだけは異様に整っている、象徴的で無個性な相貌というものは、要するに現実のボーイズグループの組員が一様に目指し、メイクや加工などでそう仕立てている、そのまんまのものなのだと、げっPOの作成イメージを見て悟った。
 かつて僕は、AIで作成されたグラビア画像をやけに見ていた時期があって、そのときは「もうグラビアは架空の理想の女の子でいいや」と、罰当たりなことを思ったりもしていたが、しかしそう感じていた期間は意外と短く、今はまた現実の、理想に対してドンピシャではない顔だったり肉体だったりする女の子のグラビアを、それぞれの個性を尊重して、むしろその部分をこそありがたく眺めているのだけど、その点、いまどきのボーイズアイドルグループというのは、各人が追い求める見た目というのが本当に統一されている感があるので、対話型生成AIが「こういうことやろ?」と半笑いで出力した画像は、なんかもう、本当に、実在の彼らが必死に作り上げている見た目そのものなのだった。
 なので、ピイガと対話型生成AIが作り出したげっPOは、ぜんぜんいる気がする。俺はこいつらを先週のカウントダウンTVライブライブで観たよ、と思う。本当にはもちろん観ていないのだが、本当に観たやつらと、げっPOの、区別がつかない。そういう意味で、げっPOはやっぱり実在するんだと思う。
 しかしここまでなら、たぶんいまどきは大勢の輩がやっていることなのだろうと思う。オリジナルアイドル創作界隈というものが、実際にあるのかないのかは、そんなジャンルを探ったことがないので知らないが、あまりにも簡単にできることなので、ある程度の人数は既にやっているんじゃないかな、と思う。
 ただしここから先がピイガのすごいところで、誰に似たのか、ハンドメイドというか、小物作りというか、そういうことをするのがとても好きな性分であり、そういう性質の人がオリジナルアイドルを作ったら次にどういうことをするかと言えば、そのオリジナルアイドルの、オリジナルグッズを、次々に作りはじめたのである。シール、うちわ、ステッカー、缶バッジなど、わが家にはどんどん、げっPOグッズが増殖してきている。思春期の娘が、ボーイズアイドルグループに嵌まって、グッズを集めている、というのはよくある風景だが、わが家の場合、グッズは手作りだし、さらに言えばそのアイドル自体もまた手製なのだった。
 もちろんピイガは、げっPOを自分の理想のアイドルとして作っているわけではない。本当に自分好みに仕立てているわけではなく、詳細は彼女の創作物なので勝手には語らないが、その設定はだいぶウケ狙いに走っている。つまり欲求から来る創作ではなく、半笑いで、対話型生成AIのそれと同じく、「こういうことやろ?」の気持ちでやっているのだ。オリジナルグッズ製作も、もともとそういう手作業が好きだという実利はありつつ、当然その悪ふざけの一環だと言える。
 そう考えるとなかなか手の込んだ嫌がらせだ。なにに対する嫌がらせかと言えば、いまの、ボーイズアイドルグループ隆盛の時代そのものに対してだろう。思えばピイガは、これもまた誰に似たのか、人の好きなものは好きじゃない、という性分があり、1年前のちびまる子ちゃんランドでは、盛況するコジコジグッズ売り場で、顔を真っ赤にして憤怒していた。またボーイズアイドルグループと言えば、当世はなんと言ってもM!LKということになるが、そもそもわが家で最初にM!LKに注目したのはピイガであったのに対し、それからファルマンと世の中がド嵌まりしたことで、いまも一緒にM!LKの出演している番組などを観てはいるが、ゲヘゲヘ言いながら観ているファルマンに較べ、ピイガの反応は明らかに冷めているのだった。
 そう考えればこの、げっPOというオリジナルアイドルの創作は、ファルマンをはじめとした、その界隈に対する皮肉であると同時に、誰にも侵されない、誰とも競合しない、絶対にひとり占めできる敬愛の対象を持つ行為であるとも言え、なるほどなあと深く感じ入るのだった。省みれば僕には、MAXファンという設定があるのだけれど、なんでMAXなんかのファンをやろうとしているかと言えば、それは誰とも競合しないからに他ならず、しかし誰とも競合しないということは、それだけ対象とするものの地力がないわけで、ここが同担拒否勢の悩ましいところなわけだが、娘が現代技術を利用して実現した、オリジナルアイドル創作というのは、その命題を見事なまでに解決しているのではないかと思った。
 だから僕も、娘に倣って同じようなことをはじめようと考えている。たぶんピイガのようにうまくいかない。僕の創るガールズアイドルグループには、きっと個人的な欲求が投影される。そういう意味で、純粋な創作からは逸脱する。その結果は目に見えている。でもせっかくなのでやろうと思う。

2026年9月5日土曜日

年度


 夏ってほら、終わったじゃないですか。
 よく9月もまだぜんぜん暑いからまだ夏だ、なんてことを言う人がいて、他ならぬ僕自身も「9月19日までは夏、20日から秋」なんて発言を繰り返していたけれど、でもまあ、8月が終わった以上、夏ももう終わったということでいいのだと思う。
 今年の夏は御せなかった。
 夏が本格的に始まる前、昨年の反省を生かし、今年はどうにか食欲を減退させまいと、「ファルマンと口に入れる物の話はしない」という方策を取った。これは成功だったと思う。食欲ルンバに食欲を吸い取られることなく、ごはんは夏を通してしっかり、意欲的に食べることができた。ただし今年は、近年稀に見るほどに、冷麺というものを食べない夏だった。毎年夏を中心に冷凍庫に常備する、鶏ささみをほぐしたものに軽く味を付けたものも、ほとんど作ることがなかった。なぜそうも食べなかったかというと、僕以外の家族はみな冷麺が好きではないということが、今年になって判明したからだ。もともとポルガは、冷麺を食べたあとは腹を壊しがちであった。これはアレルギーとかではなく、早食いのせいに違いないのだが、そのためこれまではポルガが部活でいない昼食を狙いすまして冷やし中華を作ったりしていた。しかしあるときピイガもまた、冷やし中華はあまり好きではないという話になり、そうなるとあとはもう、この世のあらゆる食べものに関し、「嫌いなもの」と「無」しか感想がない食欲ダイソンしかいないので、なんかもう、すっかり冷麺に関して気持ちが白けてしまったのだった。そして、食べなければ食べないで、別に構わないのだ、冷麺というものは。冷たい麺くらいしか食べる気が起きない、という言い回しがあるけれど、言い回しがあるからそういう気になるだけで、本当はそんなことないのである。夏でもあったかいうどんを啜ればいいのだ。だって冷房を効かせているのだからして。そして、もしかするともしかすると、こんなことを言ったらシマダヤとかに怒られるかもしれないが、冷麺をあまり食べなかったことで、僕の今夏の食欲は護られた部分があったのかもしれない、とも思う。ポルガの腹を壊すではないけれど、冷たい食べ物によって、恒温動物たるわれわれの、保たなければならない大事なバランスが崩れる部分が、ないこともない気がする。知らんけども。
 食欲は大丈夫だったが、身体が大変だった。その最たるものはなんと言ってもお盆休み期間中に発生した耳爆ぜなのだが、それ以前から、7月のスイミング回数が2回だったという時点で、なんのことはない、だいぶ参っていたのだ。本当に、近ごろの夏の暑さというのは、いったいなんなのだろう。人類の経済活動のせいで地球温暖化が加速しているのなら、その結果としてのこの異常な暑さの夏の期間、人々はあらゆる経済活動を停止し、服もろくに着ないで、ただセックスだけをしたらいいと思う。2ヶ月で世界はだいぶめちゃくちゃになるだろう。でもそれについては9月に入ってから考えよう。残りの10ヶ月で態勢を整えればいい。この2ヶ月間を、ちゃんと文明人として生きるのは、無理があるだろ。僕が綿棒を深追いさせすぎて外耳炎になったのも、きっとそんな衝動の発露なんだと思う。ルール無用のセックスワールドを夢見ながら、僕は耳の穴に綿棒を突っ込んでいたのだと考えると、いじましくて涙が出そうになる。でも実際に出たのは耳汁だ。アミノ酸的な、なんとも言えないにおいを発するやつ。
 耳鼻科通いは、先日の診療で無事に終了した。左耳の聞こえは、どこかで劇的によくなるのかと思いきや、知覚できないほどグラデーションで回復したようで、「治った……ん、だと、思う、よ?」みたいな、微妙な感じだ。前はこの位置からあれが見えたのに、みたいな、視覚のような分かりやすい指標がないので、これが従来通りなのかどうなのか、いまいちよく分からない。今回、俺の左耳の鼓膜には穴が開いているという衝撃事実を知ったことで、逆プラシーボ、逆プラシーボって要するに呪いということだが、その作用によって、変なコンプレックスを抱えてしまった感じはある。俺の左耳の聞こえが十全であるはずがないんだよ、だって鼓膜に穴が開いてんだもん、とイジけている。イジけているので、全力を出せていない。誰か更生してやってほしい。山下真司とかが熱血指導をしてくれたらいい。俺は今からお前たちを殴る! サウスポーの山下真司。そして左耳の鼓膜はいよいよ破裂する。
 えっと、なんの話をしていたんだっけ。そう言えば耳鼻科の最後の診察を受けた数日前、体中に発疹が起ったのだった。赤いプツプツが出るだけで、かゆみや発熱は一切なかったのだが、大いに驚き、すぐに点耳薬の投与をストップした。趣味的にも仕事的にもやけに薬剤に詳しいファルマンの話によれば、抗生物質がすぐではなく、投与から2週間くらいしてから抗体ができることでそういう症状が現れることはあるらしい。ただしこれの話のややこしいところは、この発疹が出た前の晩、晩酌で大量のシジミの酒蒸しを食べたという点で、僕は大好物なのに貝類に関してちょっとアレルギー的な気配がなきにしもあらずなので、そっちのせいかもしれないのだった。それで耳鼻科の医者に、発疹が出たので点耳薬をそこでやめたのだが、と伝えたところ、もう炎症は治ってるからやめて問題ない、発疹の原因は分からない、発疹の8割から9割は原因不明だ、という言葉が返ってきて、そのときにはもう発疹も引いていたので、まあそんなもんか、そんなもんだな、と納得した。ファルマンは家族の体調不良に関し、いつもとても派手な反応をし、それは冷たくされるよりもちろん嬉しいことではあるのだが、とは言え「騒ぎ立て」という表現が頭に思い浮かばないこともなく、本人と対話型生成AIの二人三脚で次々に繰り出される、発疹の考え得る要因の羅列よりも、この世の発疹の9割は原因不明、の一言のほうが、すとんと腑に落ちたりもする。もっともそれは結局のところ、「お医者様」の言葉だからか。たとえば僕が「寝れば治る」などと言っても、誰の臓腑にも落ちず、むしろ逆流して嘔吐することだろう。早く病院に行けよ。
 耳爆ぜ(外傷)と発疹程度でそんなことを言うなんて逆にめっちゃ健康だな、という話なのだが、数え年ではなく満年齢ではあるのだけど、言っても42歳なので、もしかするとこれが厄年ということなのかもしれないな、などと思った、今夏の体調不良だった。
 でも書き出しでも述べたように、そんな夏ももうおしまい。耳鼻科医のお墨付きも出たので、昨日の退勤後、満を持してプールに立ち寄った。記録によると8月7日以来、約1ヶ月ぶりのプールである。水着が毎回新しいのはいつものことだが、今回からは心機一転、ゴーグルと耳栓も新仕様となり、どうやら僕のプールライフはグローバル志向があるようで、9月から新年度に切り替わるらしい。新しい耳栓はたぶんこれまでよりも強固で、嵌めると館内で流れている音楽がほとんど聴こえなくなったので、それだけ穴をちゃんと塞いでくれているんだろうと思う。久しぶりの水泳は、夏場のブランクによるものだろう、だいぶ体が重たいというか、泳ぐという動作に対して距離ができてしまっている感があったが、定期的に通っているうちに、軽やかに気分よく泳げるようになるだろう。もちろん泳いだあとは、指導されたように軽く耳の入口にタオルをあてる程度にとどめ、そのあと左耳に違和感などは発生していない。よかった。本当によかった。
 体調不良もなくなり、プール生活も新年度になったので、それはもう必然的に季節も移ろったということだ。まだまだ気温が35度近くなるとか、そういうことじゃないんだ。陽を見ろよ。短くなっただろ。もう夏至から2ヶ月以上経ってるんだぜ。いつまでも夏気分でいるなよ。現実を見ろよ。2ヶ月間の獣欲の日々を終えて、これからはまっとうな社会を再構築していかなきゃいけないんだから。朦朧とした意識の中で、さんざん愉しんだだろ。最後は体調を崩すほどだっただろ。やりすぎだよ。これからは地に足のついた暮しをしよう。俺は水中で浮遊するけど。