2026年8月8日土曜日

はっぱち・ぷーる・はーぶ


 令和8年8月8日ということを、世間は少しだけ取り沙汰していて、そんなん言うたら俺ら夫婦が籍を入れたのも2008年8月8日だし、と無意味な対抗意識を抱いていたのだけど、無意味な対抗意識を抱くだけで、そこから先の発想がまるでなかった。たったさっき思い至った。そう、つまり、誰かが積極的に記念日にしようとするかもしれない今日という日は、われわれ夫婦の結婚記念日なのだ。なんか完全にそのことが掻き消えていた。令和8年というのはわれわれにとってはまったく関係ないが、8月8日というのはそれだけでお祝いすべき日なのだった。危ない危ない。でも本当は危なくない。結婚記念日のお祝いを忘れて怒るタイプの伴侶ではない。さっき思い至ったこの事実をファルマンに告げたときの反応は、無か、あるいは少しの億劫さがにじみ出ていた。続けて結婚18年目だと伝えたら、「うーわ」と、自らの加齢を痛感するほうに気持ちの比重がいったらしく、若干忌々しげでさえあった。ふたりの! ふたりの歩んだ18年間を! お前! と思った。

 今週はプールに2回行った。前回の記事で述べた通り、と言うか、ああやって書くことで自分を奮起させたわけだが、月曜日から木曜日はきちんと断酒し、水曜日と金曜日の退勤後に、しゃしゃっとプールに立ち寄った。しゃしゃっと、というのは、金曜日は400m、水曜日に至っては200mだけをせわしなく泳いで、入館から退館まで30分前後の滞在で済ませたからだ。そんな、行ったという事実作りのためだけのプールに果たして意味があるのか、と問われれば、大いにある、と胸を張って答えられる。これがすごくよかった。泳ぐ前にストレッチをするわけだが、筋トレもやれていない現況、このとき久しぶりに身体の筋を伸ばした感じがあり、これだけでもプールに来た果以があったのではないかと思った。泳ぐこと自体は、やはり真夏のプールなので、水はぬるく、透明度は低く、清々しさはあまり得られなかったのだけど、それでも本当に身体を動かさず冷房で強張ってばかりの暮しの中で、たった200mでも、やるとやらないとでは大違いだろうという確信があった。そんなわけで、今後もひと月程度続くだろう灼熱の日々では、そんなふうにプールと接していこうと思う。そして秋口、軽佻浮薄な輩がいなくなり、水の透明度が増したプールで、僕は心の底から感動に打ち震える。まあ要するに、毎年そんな流れだ。

 労働が夏休みに入る。長くて嬉しい。こうやって大型の連休があるのだから、普段どんなにしんどくたってへこたれずにいればいいじゃないか、ということを思ったりするが、なんでそう思うかと言えば、それは今が大型連休がはじまったタイミングだからだ。この効能は、この瞬間にしかない。再開された平日には微塵も残っていない。刹那的な生きものだな。
 連休に入った途端に帰省に出発かと言えばそういうわけでもなく、少しゆとりがある。だからこうして日記を書いているし、このあとは水着ならぬショーツを久々に作ろうかな、などと考えている。帰省の準備ということで、先ほど車中のお菓子や暑さ対策グッズなどを買い込んだのだが、その一環として、ショーツを新調、新調というのは僕の場合、製作ということになるのだが、それをしようと思っている。長い運転でもなるべく熱がこもらないような、涼しげな素材で、面積の小さいやつを作ろうと思う。なんかこの考え、雑誌で紹介される類の、とてもきれいなライフスタイルのような、庭先で育てたハーブを使ってオリジナルのソーダを愉しむみたいな、その手の香りがうっすら漂う行為である気がしないでもないのだが、しかしどうしたってたどり着く先が、世間的な基準で見れば変態的な状態の男性の下半身の事柄になるので、やっぱりあの素敵な暮しグループの仲間には入れてもらえないのだろうな、と思う。実際あのグループはあのグループで、だいぶ偏狭であるに違いないしな。