2026年6月21日日曜日

父の日と散髪と26歳


 梅雨前線なのだか台風の影響なのだか分からないが、空気がとてももったりしていて、気分がまるで上がらない、そんな父の日であった。思えば筋トレもしなかったし、プロテインも飲まなかった。あ、裁縫もしていない。僕はいったいなにをしていたのだろう。プールも、そろそろ行ってもいいような気持ちがあったが、やっぱりもう少しゲージが貯まってからのほうが効果的なような気がして、この週末は足が向かなかった。もちろんワールドカップの試合も観ていない。
 このところ週末がいまいち堪能できていない感じがあり、よく野球のニュースなどで、「悪くない当たりでしたが、もう一歩伸びが足りず、ライトフライに倒れます」という言い回しがあるが、そんなもどかしさを抱き続けている。GW以来、3連休的なものとしばらくご無沙汰だからだろうか。もしそうなのだとしたら、僕はずいぶんと変わってしまったことだ。いま読んでいる26歳当時の日記では、僕は2010年の年始、3日から労働をし、4日の勤務ののち新幹線に乗り込み、深夜に出雲に到着して、そして6日の朝には練馬に戻るために特急やくもに乗り込んでいた。今だったら絶対にしない弾丸スケジュール。そして7日からはもちろん出勤である。サービス業だった当時は、あまり疑問にも思わずそういうことをしていた。あまつさえ1月7日付の日記には、『実質2日休んでいただけなのに、1週間くらい休んでいたような気持ち。』という記述さえある。なんだか胸が締め付けられる思いだ。愛しい。愛しいし、そして申し訳ない。2日程度の休みでは伸びが足りずライトフライ、ではない。お前が悪い。そうだ、俺が悪いのだ。
 そんな自省の気持ちが高まり、そしてなにより、もったりした気候にいよいよ音を上げたというのもあって、冬から伸ばし続け、日中は結んで過していた髪を、とうとう切ることにした。こう書くとまるで理性的にそういう判断をしたかのようだが、実際は先ほど、夕飯後にシャワーを浴びて、髪を洗い、さらにはコンディショナーまでした段階で、まるで「エウレカ!」と叫ぶような感じで、「もう髪、切る!」というほうに針が振れ、すぐにコンディショナーを流し、浴室から出て、ファルマンに「今から髪を切ってくれ!」と頼んでやってもらったのである。そのくらい突然訪れた。今回はこの訪れまでに時間が掛かった。このところずっと「もう見苦しいから切れ、切らせろ」と言い募っていたファルマンは、「やっとか、よしきた」という感じで切ってくれた。そして再び髪を洗った。これまでの長い髪では、なんだか内側のほうは洗えていないような感覚があったのだが、短くなり体積の減った髪ではそんな心配もなく、とてもすっきりした気持ちになった。なにより鏡に映った姿が格段に若々しい。「もっと早く本気でたしなめてくれればよかったのに」とファルマンに言ったら、「ずっと言っとったじゃろがい!」みたいな感じでキレられた。人からの忠告って、どんなに正しいことでも、自分自身がピンと来るまで、本当に耳に入らないよね。
 まあそんなわけで、最後に心機一転できて、最終的に前向きな気持ちになれた週末だった。父の日ということで晩ごはんは鰻丼にしたし、明日から元気を出していこうよ、という感じ。誰がそんな言葉を僕にかけてくれたのか。それはたぶん26歳の僕なんだと思う。ああ愛しい。