2026年3月16日月曜日

高校受験というもの


 ポルガが志望校に無事に合格した。
 自分がそういうことをしなかったし、そもそも年代も土地も違うので、あまりにも高校受験というものの勝手が分らず、合否について、中学校の教師も、塾の講師も、「成績的にまず間違いない」とは言うらしいのだが、とは言え試験なのだから足元を掬われることだってあり得るだろ、と発表までは内心ハラハラしていた。どうやら田舎の、公立を主軸にした高校受験というものは、なるべく落ちる子が出ないよう、そもそもあらかじめ受験する先が振り分けられるようで、当日の試験というのももちろん重要ではあるのだろうが、そこに至るまでの中学校での評価こそが大事であるらしい。いわゆる内申点というもので、これまでこの言葉をとても忌み嫌っていたし、今でももちろん好もしくは思わないが、一か八かの一発勝負でだけ選抜し、その結果として志望校に落ちてしまう子を、なるべく出さないようにするシステムという意味では、なるほど理に適った部分も大きいのだな、と親の立場になってようやく理解した。
 あとこれも親の、特に女の子の親の立場になって初めて実感を伴って思ったことだが、数年前に、どこかの医学部で男子の成績に下駄を履かせていた、というニュースがあっただろう。純粋に成績で合格者を選んでいたら女子が多くなりすぎてしまい問題があるから、慣例としてずっとやっていた、という。ポルガがこのたび通うことになった学校は、わりと勉強ができるタイプの子が行く学校なのだけど、もしかしてここにも男子への下駄が存在するんじゃないの、ということを思った。だって中学生なんて、絶対に女子のほうが聡明で、意識が高くて、勉強をたくさんして、成績がいいに決まっている。だから普通に考えたら、偏差値の高い公立高校は女子の比率が高くないと嘘だ。そこのところはいったいどうなっているのか、と卒業生でもあるファルマンに訊ねたところ、「そうだよ」とあっけらかんと答えられた。ポルガの通う学校は、女子のほうがだいぶ多いそうだ。「でも」とファルマンは続け、
「私のときは男女がほぼ半々だったけどね」
 という、ちょっとブラックなオチをつけた。件の医学部のニュースも影響しているのか知らないが、いつのタイミングからか、しれっと軌道修正したらしい。かつてはやっていたのだ。それで誰も文句を言わなかったのだ。昔というのは本当にざっくばらんだな。現在に較べ、人権というものがだいぶ大雑把に扱われていたな、としみじみと思う。
 ちなみにだが、中学時代にまったく勉強をしなかった僕は、地元に行ける高校がなく、東京の私立高校に入学した。地元に行ける高校がなかった僕が、なぜか推薦で入学できたその高校は、なるほど男子校であり、理屈に合っているようにも思う。まじめに勉強をせず、しかも反抗的な生活態度をとっていたら、男子校に行くはめになるんだよ。それが嫌だったら死に物狂いで勉強するしかないんだよ。そして死に物狂いで勉強をして、男子なのに偏差値の高い公立高校に行けたら、そこには夢のような、男女比3:7くらいの世界が広がっているんだよ。さ、3:7! 3:7ってことは、必然的に3Pということになってくるし、鶴亀算的には、4Pの可能性さえ出てくる。マジかよ、俺も日能研で鶴亀算とかやってたら、高校時代4Pだったのかもしれないのかよ。先に言えよ。42歳になってからじゃ遅えよ。
 話が脇に逸れた。なんの話だったか。ああ、愛娘が志望校に合格した話だった。なにはともあれ、ひと息ついた。部活動から受験まで、中学時代はなかなか激しかった。卒業式を終え、合格発表も済み、ポルガは今、とても暇している。いいんじゃないかと思う。