2026年2月28日土曜日

たけくらべ


 2月も今日でおしまいということで、ウチももう大人にならんとあかんねんな、明日からは奉公に行くんやさかいにな、と思い、年末から剃らずに育てていた体毛を、一気に剃った。
 この2ヶ月間、本当に久々に、体毛を剃らないということをして、もうすっかり在りし日のことなど忘れてしまっていたので、どれほどの毛が生えるのかと愉しみにしていたのだが(このブログでも何度も言及した)、前回に報告した通り、1メートル先にある鏡に映った自分の姿は、ぜんぜんそこまでじゃなく、2メートル離れた人から見たら生えていないも同然という程度の生え方で、かなり拍子抜けしたのだった。
 それでも自分の理念として剃らないわけにはいかないので剃ったわけだが、見た目はそれほど生えている印象にならなかったわりに、剃ろうとしたらそれはそれで、カミソリの刃にはすぐに毛が溜まる感じで、わりと難儀した。毛というのはほとほと曲者というか、他者にとっての存在感と、自己にとっての存在感が、あまりにもかけ離れているものだな、と思った。
 もっともそういう自他による認識の錯誤というのは、人それぞれ、その人が特に気にする部分において、往々にして発生するものなのだろうとも思う。ファルマンは一重まぶたであるということに猛烈なコンプレックスを持って生きていて、人を見たとき、すぐに「一重だ」「二重だ」と言う。そして勝手にこの話を展開させたあと、必ずこうも言う。「ちなみに私は実は一重ではなく奥二重なのだ」と。それに対し、僕はもはや「ふうん」と相槌を打つこともない。もはや三重と言ってもいいほど天然のくっきり二重である僕は、人のまぶたを気にしたりしない。そういうものなのだと思う。
 ともかく、不要な部分の毛がなくなって、個人的にはとてもすっきりした。やっぱりこのほうがいい。ウチはもう、昨日までの無邪気でおきゃんなウチとは違うんやさかいにな……。