月曜日から2日間に渡って、猛烈なアレルギー性鼻炎を発症していた。猛烈だった。
日曜日の夜まではなんの症状もなく、もとい月曜日の朝の時点でもそこまでではなかった。しかし労働を始めたあたりから激しい発作に襲われ、なんかもう、ぐちゃぐちゃだった。粘度の一切ない鼻水が止めどなく垂れ、マスクはすぐにビショビショになり、涙も出て、頭がくらくらした。春の花粉症シーズンではぜんぜん症状が出ないものだから、2ヶ月ほど前、「みんな花粉症花粉症って言うけどさ、集団催眠みたいなもので、本当は花粉なんて存在しないんじゃないかな」などとのたまい、ファルマンから「あなたは本当に人の痛みが解らない人間だ」と怒られたりしたのだけど、花粉ではなさそうだがとにかく猛烈な症状に苛まれながら、そのときの自分の発言をひそかに反省した。実際に痛い目を見ないと分からない、致命的なまでの想像力の欠如。思えばありがたいことに、ここしばらく健康状態が続いていた。だから驕っていたのだと思う。ごめんなさい、と世界に向けて何度も謝った。しかし謝ったところで症状はまったく改善せず、這いつくばるように退勤時間まで過し、帰宅後、薬を服んですぐに寝ることにした。もうそれしかない。ざっと9時間ほど寝た。こうすれば大抵は治まるのだ。ところが今回は治まらなかった。なんと火曜日も症状は続いたのである。常備している薬は眠くなる成分入りのものなので、出勤時は服むことができない。だが前日のあまりにひどい発症度合に、うすうすそうなることは予期していたので、帰りにドラッグストアに寄って、「眠くならない」という触れ込みの鼻炎薬を購っていた。いつもの薬のような信頼感はないが、これで勤務中は乗り切るよりほかない。しかし「眠くならない」と謳いながらも、多少は眠くなるやもしれず、だとしたら厄介だなあ、などと案じていたところ、なんのなんの、謳い文句のとおり眠気がやってくることは一切なく、それはよかったのだが、同時に一切の鼻炎の症状を抑える効果もまた感じられず、鼻炎の症状は野放図に炸裂し続け、効きもしないし眠くもならないのだとしたら、じゃああれは一体なんなのだ、ともすればただの小麦粉の塊なのではないかと、鼻水とくしゃみによる体のしんどさもあって、憤りがひたすら募った。
そんなつらい2日間だった。水曜日になり、ようやく症状は落ち着いた。なにが原因なのかまったく分からない、謎の2日間だった。昔の人なら呪いと言っただろう。得体の知れないものが体に入ってそうなったのだから、西暦2026年でも、実際その解釈がいちばんしっくり来るような気がする。ご先祖様とかを供養したらいいのかもしれない。