2026年3月25日水曜日

持続的な催淫効果


 ふたつ前の記事、「ブランド理念」で触れた本に書いてあったのだけど、水着業界にはオーダーメイドというものが基本的に存在しないのだという。陸上のスパイクとかのイメージで、一流の選手というのは、メーカーに面倒を見てもらって、本人の体型に極限まで合わせた水着だとか、そういう金のかかったものを使っているものだと思っていた。そうではないのだ。それというのも、speedo社の高速水着の一件から水泳の国際連盟は反省をし、「道具で争うのではなく選手個人の能力で争う」という思想の下、ルールを厳格化したのだという。
 そのことを知ると、「オリジナルの水着を作って穿いて泳いでいる」という自分の行為が、ますます特別な意味を帯びてくるような気がする。この世に、「自分用に誂えた水着」というものは、どうやら思っていた以上に少ないらしい。一流の選手でさえ、水着は既製品を使うのだ。もしかすると僕は、これまで人類がほとんど掘り進めていない坑道を突き進んでいるのかもしれない。
 それにしても「道具で争うのではなく選手個人の能力で争う」という思想はいいな。しかしいいなと思うと同時に、みんな一緒の水着で包む肉体には、それぞれの異なった出っ張った部分があるわけで、それも含めて能力と言ってしまえばそれまでだが、男ならぱぱぼとるの大きさ、女なら乳房の大きさが、ハンデとなる場合だってあるわけで、真の意味での厳密さってなんだろう、ということも思う。ぱぱぼとるが大きい人間は、それだけ水の抵抗が大きくなるのだから、少しタイムを優遇してくれないとフェアじゃない。フィニッシュタイムに巨根係数を掛けてほしい。
 ……ちょ待てよ! あいつにだけ巨根係数が掛けられて、俺に巨根係数が掛からないのはおかしいだろ、もう1回採寸してくれよ。絶対俺のほうが巨根係数が大きくなるはずだろ。……いや、ちげえよ、今はプールで泳いだあとだから! これはちげえから! マジで水で冷やされる前はヤバかったから。もはや水の抵抗とかじゃねえから。俺の股間が水門みたいになってたから。流れ、堰き止めてたから。それなのに泳いだんだし。マジ半端ねえから。もはや係数とかじゃねえし。これ抱えて泳いだってだけで金メダル級だから。なんも言えねえ……。チョー気持ちいい……。北島さんを手ぶらで帰すわけにはいかない……。あー、もしかすると僕は、水に怒張を愛撫されて、泳ぎながら果てたのかもしれませんね。だから今こんなに小さくなって、そしてとても穏やかで清々しい気分なのかもしれません。だとしたらもうそれ以上に望むことはありません。もとより、僕は規定違反のオリジナル水着を穿いているので、はなから失格ですしね。え、この巨根専用水着ですか? NOBITATTLE製です。違います、speedo社じゃありません。speedo社製ならぬ、スピード射精です。
 このダジャレ、もう20年くらい前の、speedo水着を着た女の子のグラビアの煽り文句で目にして以来、ずっと大切にしている。我ながら物持ちがいいな。グラビアの話が出たついでに、女の子の乳房の場合の係数については、そこは巨乳係数ならぬボイン係数でお願いしたいと思う。時は令和。もはやなかなか聞かないボインを、あえて使ってみようじゃないか。勇敢だな。